HUNTER's LOG on PORTABLE

フィールドノート はじめに

 
実際外へ出て、そこにある(起こる)あれこれへの観察と、観察を超えたコミットをめざすアプローチを「フィールドワーク」と言います。生物学的な野外観察がそうであり、星を望む天体観察がそうであり、民俗風習を捉えるものもあり、あるいは遺跡を調べる考古学的なものもある。その時用いられるメモ帳のことをフィールドノート(野帳)と言いますね。

※現在先行して「ノートの外側」から掲載を開始しております。ちょっと外堀を埋めたほうが良いかしらね、ということで。その「外堀」の方で「あー、そんな感じ」というのが出てきましたら、引き続き。
 

ノートの外側
001: 『ツバメ号とアマゾン号』 
 


この「フィールドノート」が「教室のノート」と異なる点は、教室のノートが読書のメモであれ先生の板書のメモであれ、記号を記号へ写すものであるのに対して、フィールドノートのそれは目の前の現象を記号に写す作業である、という点です。
 
これは意外と大変なことでして、まず現象と記号表記では存在の次数が違いますので「切り取って」来ないとならない。なにを捨て、なにを拾うのか。これは相当頭を使います。
そして、ここがゲームに対してこんなのを持ち込む上で重要な点なのですが、そのように自分の頭で次数を落としてノートした現象は、その人にとって特別なものになる、という点が大変肝要です。ノートを取った対象は、その人にとって特別な何かとして内的に取り入れられるのですね。
 
要はその対象と「親密」になるのです。
 
モンスターハンターを続けていく上で、どうしたら「フィールド」というものを単なる「ステージ」としてではなく、自らに親密な「場所」として体験できるか、ということを考えていった際に、この「ノートにとる」ということに思い至りました。
 
思えばリアルではさんざんやってきたことなのでなんで今まで…と思いもしますが、その辺が「テレビゲーム」が潜在的に持つ敷居でしょうか。どうもゲームの外へアプローチの手段を広げる、という方へ目が向き難いですよね。あ、でも「萌えゲー」とかだと女の子の絵を一生懸命描いたりするんでしょうから、そう思えばない話でもないか(笑)。
 
さて、そんな感じでここでは中の人が実際にノートしていった「ビッケの野帳」をメインに、「ノートの外側」としてモンスターハンターに取り組む中の人、という点に色濃い影響を及ぼしているゲーム外の経験、体験を紹介してみましょう、という2つのルートを設けました。
 
この2つ目のルートは「投影」という現象がこの「親密なアプローチ」に大きな影響を及ぼす一方の軸だ、という点でからんできてます。中の人が採取が好きなのは、実体験としてのあれこれが投影されているからだ、と思ったわけですね。茸を採ったり鉱物を掘ったり魚を釣ったり…したことのない人が採取をつまらないと思うのは当たり前だ、ということです。
 
そこで単純な中の人は「じゃーやってみれば?」と思うわけでして、この「ノートの外側」では、中の人が「そうなった」来歴(影響を受けた本とか)の紹介と、実際簡単にできそうな「アウトドア」な楽しみなんかが紹介されていく予定です。
 

 

ページの先頭へ 

Hunter's Log

最新記事