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『海中へ』

  • いよいよハンター達は海中へ進出する。
  • そこに待つのは、地上で得られぬ豊潤か。人智の届かぬ峻厳か。

祝!MonsterHunter 3 tri- …あー、発表?でなくて…途中経過発表?記念?…なんと言ったら良いのか分かんないけど…とにかく、わー!どんどんぱふぱふ!
 
いやあ、ガチで潜りますね。しかも、「海中」と来たらまた珊瑚やなんかがいっぱいのダイビングスポットみたいなのになるのかと思ってましたが、「海中」渋いです。さすがです。マリンちゃんとかサムくんとかいうキャラ名が満載になるのではないかという心配も杞憂ですよ。そんな心配するのはおっさんだけですか?そうですか。
 
もっとも発表された内容というのも「予想されていた」部分にあわせて「見せても良いだろ」と判断された部分、と思えなくもないので、取り立てて「こ…こいつは…」というのもないですが…ちょっとありますが…と、いうことで今回はこの「海中」イメージで思い出したちょっとしたことを2点。
 
繰り返し問題とされることのひとつに、ボス級モンスターに発見された時の「ビクッ」と硬直するモーションの是非がありますが、ありゃあるだろうと中の人は思います。
 
それは昔海に潜ってた時の体験によります。
某島でスキンダイビングをしていた中の人は、ある時海中で急に体がギクッと硬直して固まりました。ナンダナンダとあわてて見回すと、遠くの方にゆるゆると泳いでるサメ君一匹。サメと言ってもネコザメみたいな無害なちっちゃい(といっても1メートルくらいあった)やつでしたが、それでも固まりましたな。しかも「何かを見た」という認識の前にです。
 
人間にはヤバげなものが視界に入ると、認識以前に固まる、という本能的なものはあるのです。山の中とかだと蛇が出て来るとこれに近い感じになりますね。
 
さて、しかしなんで陸上で生きてきたはずの人間が海中のサメの動きに本能的な反応をするのか、ということですが、ここで思い出されるのが「スイミングモンキー説」です。
これがMH3の海中戦に臨むにあたってちょっと知っておくとお得かもなので続けてみましょう。
 
スイミングモンキー説というのは、人類の進化の過程に関する仮説のひとつで、要は「ヒト」とはいったん水生哺乳類になりかけたサルなんじゃないのか、という説です。アザラシみたいになりかけたサル、ということですね。エレイン・モーガン女史の著作で一躍有名になりましたね。
 
これがどうしてどうしてかなり説得力がある。
体毛がないこと。しかしわずかに生えてる産毛のパタンが、泳いだ時にできる水流のパタンに準じていること。逆に皮下脂肪がつくこと(サル一般は皮下脂肪を持たない。逆にアザラシやイルカなんかは皮下脂肪で水温に対応する)。喉仏の位置が不合理であること(気道と食道の分化がこんな「危険に近接している」動物は人間くらい)。しかし、これによって水中で意識的に「息を止める」事ができるのであること。
そして何より脊椎に対して直角に後肢が出るのが普通の陸上哺乳類の中にあって、これが直線で連結していること(これも水生哺乳類の特徴です)。などなど。
 
女史はヒトに連なる化石資料があまりにも発掘されない理由として、「探す場所を間違えているのだ」とまで言い切ります。要は過去陸上だったとこを探しても出るわきゃない、ということですね。
 
頭の固い古生物学分野のおっちゃん達からは良くて黙殺、下手すりゃ「トンデモ学説」扱いのスイミングモンキー説ですが、「おおっ!」と感心させるものが多いんですからもうちっと仲良く取り組んでも良さそうなもんですな。
 
これが当たりだったら、中の人がサメの影にギクッとなった理由もつくってもんです。なにより、ヒトはそのスタートにあって水中で「狩り」をしていた、ということになるわけでMH3に挑むにあたっては中々痛快な説であるといえるでしょう。
 
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人は海辺で進化した―人類進化の新理論 (単行本)
エレイン モーガン (著) どうぶつ社
 
 

2008.09.20 HUNTER's LOG